夜の散歩をしているときに街にたくさんの窓のあることを思うとなんだかグッとくるということはすでに書いたけど、その街が繁華街ではない寝静まった住宅街で、かつ川や緑が近くにあると、そういった眺めがなんだか自分が今まで触れたことないような自然さで存在しているように思えてくる。窓際の観葉植物や本棚やCDラックの影も、その内部にある人々の生活がとても健全で快活なものであることの証明に見えてきて、そんなとき窓の外を歩いている自分はなんだか幽霊のようだなあと思ったりもする。世田谷やそれより先の野川付近を訪れたとき、そんな感傷によくとらわれたものだった。街の印象というか思い込みが、似たような風景であってもそんな風に思わせるのだろう。東京生まれでありながら、東京の街に幻想を持つというのは不思議なことだ。幻想というより、現実の街に二重写しに重ねている半透明のなにかといったほうが正しい気がする。それ越しに街を見ることによって…似たようなことは前にも書いたな。こんなことばかり考えている。ほかの人たちが持ってる街に対するファンタジーのようなものをいちど聞いてみたい気がする。
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