クラブやライブ、飲み会など、賑やかな場所に出かけたその帰り道でふと襲われる虚しさ、昔は自分だけだと思っていたが、どうも予想以上に多くの人がこの妖怪に危害を加えられているらしい。たくさんの人としゃべり、笑い、楽しんだはずなのに、電車の座席に座って弁護士事務所の過払い金返還訴訟についての広告を見るともなく見ているときに襲われる虚無はなんなのか…
単純に楽しい時間が終わってしまったという寂しさだけじゃないでしょう、あれは。自分の経験と聞いた話などを材料に少し思いを巡らせてみると、どうもその楽しい場で受け取れるはずの決定的な何かを受け取れなかったのではないかという自省のような思いが帰り道で反芻されるのでは、という結論に至った。つまりは不完全燃焼に近いと。あるいは、人によっては楽しいこととか、うれしいこととか、そういうプラスの感情(とされる)ものを受け取るにも許容量があって、限界を超えると自動的に虚しみに襲われるようになっているとか、そんな機械的な反応の可能性もある。
そもそも虚無とか虚しみとか、自分で言っていて具体的にどんな状態なのか言い表せないわけで、正体がわからない以上、こちらから打って出るのは難しい。こいつらに襲われないようにするには、どうしたらいいかというと、これらの事象について人と語り合うしかないのではないかと思う。だからみんなもこの街のこの道で虚無に襲われたとか、そういう情報をどんどん共有していくべきだと思う。
ちなみに一日中街を歩いたあとの肉体的な疲労からくるポカンとした感じは嫌いじゃない。
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