2013/10/23

#015 シャドーシティー

古い町並みだとか、寂れた商店街だとか、そんな風景を見るとつい写真を撮りたくなるが、ああいったものがなぜ、人を惹きつけるかについては、考えたことがない。と書くと、今から考察が始まると思うだろうがそんなことはない。
おれはそんないまはもうパッとしていないか、あるいは無用になってしまったものを見ると、たくさんの人が集まって愛されて祝福されていた、そんなある一時期の光景を眼前の現実に重ねて再生してみる。だがそれらが一度だって輝いてたときがあったのか?誰にだって全盛期があるように思われがちだが、そんなことはないだろう。かの有名な映画ロッキー(いい映画なのですぐに見た方がいい)で「俺には全盛期なんてなかった!」と言うワンシーンがあるが、そいつはその通りでそうだというしかない。寺尾聰の曲でシャドーシティーというタイトルがあるが(寺尾聰なのですぐに聴いたほうがいい)、一度も陽の目を見ることなく朽ちていった風景をシャドーシティーと呼んでいったらいいんじゃないか、そう思った。本当にたったいま、そう思った。

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