何も食べないというのはあくまで日中のことであって、夜は普通に食べた。
昼間のうちにどこかに出かけるべきだと思いながら、夜まで過ごした。
夜は夜で、天候が怪しげになってきたので、結局外出せずに日がな一日家にいた。
青空文庫で島崎藤村の「嵐」を読む。短編だと思って読み始めたら意外に長い。舞台となっている麻布飯倉片町の戦前の地図と、文中の描写を突き合わせて、当時の景観を考察してみる。確証は得られないものの、地形についてはなんとなくつかめてきた。わかったところでどうということもないが、戦前の面影が垣間見えると感慨深い。今現在の東京の姿は無数の自覚なき写真家によって膨大な数が撮られているだろうが、それらを現実の景観に付き合わせて整理する行為は、たいへんな労力を要するだろうと思う。自分が撮る写真は今のうちにわかりやすくまとめておかねばと思う。ここ数年のデータを見るだけでも、消えた風景がいくつもある。
0 件のコメント:
コメントを投稿