2014/01/01

#55 渋谷

お正月、クリスマス、豆まき、ひな祭り、そんな年中行事に対して、年を追うごとに無感覚になっている。これはもう自分の精神状態に起因するというだけではなく、実際に現実そのものが変化しつつあるのではないかと思っている。なぜそう思った?とおっしゃるだろうが、そんなものは知りません。勘です。もはや年中行事を楽しめる余裕のある人間が加速度的に減りつつあり、そしてそのことについて追いつめられた我々は無感覚になることで自分の精神を守っているのではないか…そんなことを思う。

俺は大晦日から元日にかけて渋谷の街を歩いた。神宮通公園の炊き出しに少ないながらもカンパをした(一つの政治姿勢をこのブログでいま発露する)のちに、警察による封鎖が行われているという渋谷ハチ公前に向かった。平時にあるというのに、ああいう態勢がしかれているのは、想像以上に奇妙な光景だった。警察の車の電光掲示板にControlled.という文字が表示されており、写真に撮ってみようかと思ったが、それになにがしかの意味を見いだす気力もなくてただ近辺をぶらついていた。迂回を繰り返してハチ公前に着くとオーロラビジョン(合ってる?)が白く発光して駅前を照らしており、私服と制服の警官と自警団が足しげく行き交う空間になっていた。人の少ない広場は寒いなと思った。風を遮るものもないし、人が発する熱もない。パルコの近くでは、おそらく路上生活をしているであろう男性が、道端で酔いつぶれてしまった若者に声をかけて起こしてあげていた。